【大阪の離婚弁護士が教える】著作権は財産分与の対象になるか?
夫婦の一方が有する著作権は財産分与の対象になるのでしょうか。
今回は、この点が問題となった裁判例を紹介してみたいと思います。
この事件は妻が作家、夫が画家という事案で、妻が財産分与を申し立てたという事案です。
その財産の中に著作権が含まれていました。
裁判所の判断は以下のとおりです。
【東京家審平成6年5月31日】
前記認定事実によれば、申立人と相手方は、婚姻前からそれぞれが作家、画家として活動しており、婚姻後もそれぞれが各自の収入、預貯金を管理し、それぞれが必要な時に夫婦の生活費用を支出するという形態をとっていたことが認められ、一方が収入を管理するという形態、あるいは夫婦共通の財布というものがないので、婚姻中から、それぞれの名義の預貯金、著作物の著作権についてはそれぞれの名義人に帰属する旨の合意があったと解するのが相当であり、各個人名義の預貯金、著作権は清算的財産分与の対象とならない。
この事案では、著作権は財産分与の対象とならないと判断されていますが、その判断の背景には夫婦共通の財布がなく、著作権はそれぞれの名義人に帰属する旨の合意があったという点があります。
したがって、この裁判例があることから、著作権は絶対に財産分与の対象にならないとまでは言い切れないので、その点はご注意ください。
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