【大阪の離婚弁護士が教える】同性愛は「不貞行為」に該当するか?
不貞行為とは、配偶者以外の第三者と肉体関係を持つことをいいます。
例えば、夫が同性愛者であることを隠して結婚し、結婚後に特定の男性と性的な行為に及んだという場合、民法770条1項1号の「不貞行為」に当たるとして妻は離婚を求めることができるのでしょうか。
この点に関して、同性との間の性的な行為は、離婚事由たる「不貞行為」に直ちに当たるとまでは考えられていません。
では、離婚が認められないのかというと、そうではなく、民法770条1項5号の婚姻を継続しがたい重大な事由に当たるとして、離婚が認められる余地があります。
夫の同性愛が問題となった一つの裁判例を紹介します。
【名古屋地判昭和47年2月29日判時670号77頁】
被告は、昭和四三年ごろ、○○県○○市内に住む乙山二郎と知り合って同性愛の関係に陥り、同人との間で、男女間におけると同様の関係を繰り返えしていたこと、そして、被告は、昭和四五年ごろ、同人に結婚話が持ち上ったのを機に、一旦は、同人との関係を解消はしたものの、未だ同人に対する未練を断ちがたく、その後も、同人に執拗につきまとっていたこと、
以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。
右認定の事実によれば、被告は、性的に異常な性格を有していることが明らかである。もっとも、それがいかなる程度のものであるかは明らかでなく、場合によっては、被告自身の努力と適確な医学的措置によって矯正することも可能なのではないかとも考えられる。しかしながら、性生活は婚姻生活における重大な要因の一つであって、原告がすでに、数年間にわたり被告との間の正常な性生活から遠ざけられていることや、原告が被告と乙山二郎との間の同性愛の関係を知ったことによって受けた衝撃の大きさを考えると、原、被告相互の努力によって原、被告間に正常な婚姻関係を取り戻すことはまず不可能と認められる。したがって、原、被告間には民法第七七〇条第一項第五号に該当する離婚原因が存するものというべく、これが被告の責によるものであることはすでに述べたとおりである。
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