【大阪の離婚弁護士が教える】強姦の被害者であっても「不貞行為」をしたことになるか?

夫婦の一方が不貞行為に及んだ場合、民法770条1項1号に定める離婚事由に該当します。

そのため、不貞行為をされた側の配偶者が離婚を求めれば、どれだけ不貞行為をした側の配偶者が離婚を拒んだとしても、裁判になれば基本的には離婚が認められることになります。

では、配偶者の一方が強姦の被害に遭った場合でも、「不貞行為」があったとして、他方配偶者は離婚を求めることができるのでしょうか。

たとえば、妻が強姦の被害に遭ったところ、夫がちょうど妻と離婚したいと考えていたので、この強姦の事実を「不貞行為」と捉えて妻に対して離婚請求をしたというような場面が想定できます。

確かに、不貞行為とは、配偶者以外の第三者と肉体関係を持つことを指すため、強姦であったとしても、配偶者以外の第三者との肉体関係には違いありません。

しかし、不貞行為に該当するためには、不貞行為に及んだ者の自由な意思に基づくものであることが必要とされています(最判昭和38年6月4日家月15巻9号179頁)。

この点、強姦の被害者は、自らの意思で加害者と肉体関係を持ったわけではないため、不貞行為をしたわけではないと考えられています。

よって、上記の事例では、夫から妻に対する不貞行為を理由とした離婚請求は認められないということになります(もちろん、別の理由での離婚請求によって離婚が認められる可能性はあります)。

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