【大阪の離婚弁護士が教える】父親への親権者変更を認めた事例①
離婚する際に母親が親権者となったものの、その後、父親が親権者変更の申立てを行う事例があります。
しかし、一般に親権者変更のハードルは相当高いとされています。
今回は、父親に親権者変更を認めた裁判例を一つ紹介したいと思います。
【京都家裁平成11年8月20日審判】
本件丙事件は、未成年者Bの親権者である申立人が、相手方に対し未成年者Bの引渡を求めるものであり、本件丁事件は、逆に、相手方が、未成年者Bの親権者を申立人から相手方に変更することを求めるものである。
そして、上記認定のとおり、未成年者Bは、平成8年8月8日(当時小学1年生)以来、現在に至るまで相手方宅での生活を続け、現在小学4年生であり、健康状態も良好で、素直で明るい性格に生育しており、学校生活上取り立てて問題とすべき点はないこと、未成年者Bは、相手方との父子関係も良好で、今後も京都の相手方宅で相手方及び未成年者Aと一緒に生活していくことを望んでいること、相手方には上記のような生活上の問題点が存するけれども、上記のとおり、従来、未成年者Aが相手方に代わって未成年者Bの母親代わりの役割を果しており、その未成年者Aとの姉弟関係も良好であること、他方で、上記のように、未成年者Bと申立人との母子関係は良好なものではなく、また、申立人の家事能力や稼働能力も相手方に比してさほど高いわけでもなく、今この時点で転校してまで倉敷市で申立人との同居生活をさせても、未成年者Bにとって益するところがあるとは認め難いことを考え合わせると、現時点において、未成年者Bの申立人への引渡を命じることが未成年者Bの福祉に沿うものであるとは到底いえず、逆に、未成年者Bの親権者を申立人から相手方に変更することが、未成年者Bの福祉に沿うものであるというべきである。
上記判旨を見るとわかるとおり、すでに父と子が約3年にわたって一緒に暮らしている事案において、母から父への親権者変更を認めた事例です。
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